フリーランスは仕事がないと不安になるため、単価を下げてでも仕事が欲しいと思うことがあります。また、企業から仕事をもらうフリーランスは、立場的に弱くなりがちです。クライアントから単価の値下げ要求があれば、つい受け入れてしまうこともあるのではないでしょうか。でも、単価は死守する気概が必要です。一度下げた単価はなかなか元に戻せません。今回だけならと安易に単価を下げてしまうと、その後もずっとその低い単価で仕事をする羽目になりますよ。
「企業はフリーランスなら安く仕事をしてもらえると思っている」というのは、まぁその通りです。ただ、「安く買い叩いて都合よく使ってやろう」と思っている企業と、「予算がない中でも仕事をしてくれる信頼できるフリーランスと長くよい関係性で付き合っていきたい」と思っている企業があります。前者のような感覚の企業に使い捨てにされないためにもフリーランスは安易に単価を下げてはいけないのです。後者の企業は無理な値下げ要求はしてきません。
企業側は簡単に値下げを打診してくるかもしれませんが、フリーランスにとって単価を下げることは死活問題になりかねません。フリーランスが単価を下げることは、その案件だけの問題では済まないからです。単価を下げて利益の少ない仕事に時間を取られて、正当な単価でできる仕事にまわす時間がなくなってしまいますよ。時間は有限です。仕事を失うことはフリーランスにとって恐怖ですが、無理に単価を下げるならその仕事は思い切って断るという勇気も必要なのです。
単価を下げたところで困るのは自分だけと思っているならそれは間違いです。単価を下げるということは、その仕事の価値を下げたことになり、その仕事を提供したフリーランスである自分自身の価値も当然下がります。発注側の立場になれば、その仕事の水準=その単価と認識することになりますよね。そうすると、他のフリーランスに仕事を依頼するときにもその単価を要求し、気が付けばその単価が相場になってしまうということです。